お数珠、鐘(リン)と続いて、
私たちの身近にある佛具の中では、お香もその1つですね。

ローソクに火を灯し、お香に火をつける。
スーッと白い糸のような煙が立ち上り、辺りを荘厳な景色へと、変化させていく。
香りの不思議。
今ではお線香に限らず、
天然の素材より抽出したアロマオイルと呼ばれる、
香のエッセンスを楽しむ方が増えています。
私も先日アロマポットに加湿機能がついたものをいただきました。

電源を入れると、細やかなミストと共に、
ほのかなユーカリの香りが、部屋一杯に広がっていきます。
何とも言えない鼻筋から頭に抜けていくようなスッキリした香り、
七色に変化するライトの光とあいまって、
いつの間にか、心地よい眠りにいざなってくれます。
その昔、インドのバラモン(お坊さん)は、
旅をするときに、香りの良い葉や花、木の実などを拾い、乾燥させ、火に投じ、
佛に祈りを捧げる儀式に用いたのが佛教のお香の始まりではないか、と言われています。

その後人々は、お香の原料になる様々な香木を発見していきます。
代表的なところでは、白檀、沈香、伽羅などを原料として、
そのまま用いたり、練って線香の形にして、使いやすくしたりと、
様々な工夫を加え、今日に至っています。
珍しいお香の材料としては、抹香(マッコウ)が挙げられます。
これはまさに、マッコウクジラのフンであり、
めったなことでは手に入らない原料の1つです。

よく、お坊さん抹香臭いなどとも、言われますね。
またお経を唱える際に用いる塗香(ズコウ)、
これは主にお坊さんがお堂に入る前に洒水(シャスイ)で身を清めた後に、
粉になったお香を右手の人差し指と中指につけて、
まず、額と口を清め、手をこすり合わせて、手を清め、
後、身体に塗りつけるような作法を行い、お堂の中に入って行きます。
また珍しいところでは、
時香炉(ジコウロウ)というものがあります。
大きな四角形の形をした香炉の中に、
平らに灰を敷き詰めて、形を押します。
ちょうど四角い迷路のようにつながったもの
(蚊取り線香の四角版というようにイメージしてください)を、
四通りつなげる、1辺は、約6時間かけて燃えるため、
およそ24時間燃え続けるというものです。
その他にも、
茶道にもあい通ずる香道が発達し、
今日にも、その伝統は受け継がれています。

人の飽くなき探究心は、
香りを楽しむということを文化の域にまで、昇華してしまいました。
浅草の観音様や、善光寺等の大寺の前には、
大きな香炉が置かれており、始終線香の香りが立ち込めています。
本来、お寺でお香が焚かれるのは、
その場所を清め、自身の身を清め、
香の香りを佛さまに献上するために、行なわれる行為が、
今は少し御利益信仰に走りすぎるきらいがあるようです。

佛さまに献じた芳香や煙を手で手繰り寄せ、
頭にこすりつけたり、身体につけたりと、
ついついしてしまいがちです。
この香の効用は、
一休さんも、香の十徳という形で、
後世に伝えています。
香の十徳
1.感は鬼神に格る(いたる)(鬼も感動する)
2.心身を清浄にする
3.よく汚穢(おわい)を除く(汚れを取り除く)
4.よく睡眠を覚ます
5.静中に友をつくる
6.塵裡(じんり)に閑を偸む(ぬすむ)(仕事場でも一息つける)
7.多くても飽きない
8.すくなくても足りる
9.久しく蔵めておいても朽ちない
10.常に用いても障りがない
佛教には、諸々な作法にも意味があり、
滝行や食事作法、トイレに至るまで、
決め事やそのとき唱えなければならないお経が定められているのです。
今回は、お焼香するときの経文についてのお話をいたします。
焼香偈(ショウコウゲ)
がんしこうげうん へんまんじっぽうかい
1.願此香華雲 遍満十法界
むへんぶつどちゅう むりょうこうしょうごん
2.無遍佛土中 無量香荘厳
ぐそくぼさつどう じょうじゅにょらいこう
3.具足菩薩道 成就如来香
これは、お焼香するときに用いる焼香偈(ショウコウゲ)という偈文(ゲモン)です。
お坊さんは、お経を唱える前に、
お香を佛さまにお供えし、その場所を香りで清め、(道場荘厳)
佛さまを供養するための諸々の作法に入ります。

そのときに、この偈文を唱えながら、
お焼香を行ないます。(3回、微音で行なう)
一般的に私たちがこれを知っておいて、役立てる機会があるとすれば、
主に、お葬式や法事などのときでしょう。
また、霊場巡りで訪れたお寺や、
旅の途中で立ち寄った名刹、古刹等の寺、
家の中では、仏壇の中のご先祖さまに、
お灯りや経文、供物をお供えするときなどにも、
お使いいただけると思います。
例1:お寺や霊場巡りで用いる場合
いっしんちょうらい じっぽうほうかい じょうじゅうさんぼう
一 心 頂 礼 十 方 法 界 常 住 三 宝 と、3回唱える。
そのとき、1回目、2回目、3回目と唱えるときに、以下のように念じる。
1.一心に佛に深く帰依し、奉る。
2.一心に法に深く帰依し、奉る。
3.一心に僧に深く帰依し、奉る。
また、時間のないときは、
偈文を一度に、微音にて、3回唱え、
佛・法・僧に深く帰依し、奉ると念じる。
例2:お葬式や法事のときなどに用いる場合
この頃は、時間の制限もあるため、
お焼香の時間も短縮され、「1回にしてください」とよく言われます。
また、お宗旨によっては、
「1度で充分ですよ」と言われるところもありますので、
厳密に3回行なわなくても、良いようです。
まず、焼香台の前に至りましたら、
合掌し、一礼
右手でお香を一つまみし、その下に左手を添える。
そして額の高さにうやうやしく持ち上げた後に、香炉に投ずる。
一投目
がんしこうげうん へんまんじっぽうかい
願此香華雲 遍満十法界
お亡くなりになられた故人を慰霊する意味を込めて。
次いで、二投目
むへんぶつどちゅう むりょうこうしょうごん
無遍佛土中 無量香荘厳
お亡くなりになられた故人のご家族に対して、弔意を表わす。
三投目
ぐそくぼさつどう じょうじゅにょらいこう
具足菩薩道 成就如来香
故人がお世話になった方々や地域社会に対してお礼の意味を込めて行なう。
このお焼香を、一〜三投目まで行ないましたら、
両手を合わせ、合掌し一礼、
最後に、故人やご家族、ご親戚の方々に一礼して、その場を退きます。

人の死を悼むこと、
ましてや、それが身内であり、友人であった場合は、とても辛いことです。
せめて、私たちができることは、
お亡くなりになられた方のために、
安らかにお浄土へ旅立たれることを、心より祈ることぐらいです。
このように、お焼香は、意味を知って行なえば、
一投でも良いし、時間が許せば、三投行なっても良いということになります。
お香には、
その場を荘厳し、身を清めるという意味や、
香りを楽しむという意味、
人の死を悼むという意味まで、
今では広く用いられるようになりました。
人は時々に応じて、
様々な使い分けを行なっています。
どうぞ、皆さまも、お香を焚く折には、
この焼香偈の偈文などを、思い出していただいて、お役立てください。
立ち上る白い煙と、芳香の中に、
今日の1日の幸せを願い、
佛さま、ご先祖さまに、感謝の念を捧げる。
この香に、すべてを託して。

人が生を受け、人生を全うする。
このことを誰も疑問に思うことはありません。
人が人として本来の自分を見い出し、今をすばらしいと感じたときにこそ、私たちの本性である神性が目覚め、人として生きてきた自分を知ることになるでしょう。
人は成長を求め、両親や性別、このときを選んで自らの意思において生まれています。
しかし悲しいことにその記憶を宿すことはありません。
なぜなら、生きる目的を最初から分かっていることは、時として魂の成長を妨げてしまうことになるからです。
れいめい拳が解き明すのは、あなたのすべてではありません。
問題に立ち向かおうとあなたが決心したとき、そのほとんどは解決しています。
後ほんの少し残った課題をれいめい拳がお手伝いいたします。あなたは今という一瞬を表現し、学びとしている存在です。このことを忘れないでください。
れいめい拳のえにしにより、今を生きる皆さまの一助になれれば幸いです。
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